スキンリサーフェシングは古くからある肌の美容ケアの一つです。
スキンアブレーション(削皮術)とも呼ばれ、
ニキビ跡をはじめ、
傷跡などの修正処置として、ダイヤモンド製の電機ヤスリ(グライダー)を使って美容皮膚科領域でよく行われてきました。
これをレーザーで行うのが十数年前から出現し、これを
レーザースキンリサーフェシングとよびます。
電気ヤスリの欠点を補う意味で、より正確で均一にアブレーションを行えるようになりました。
傷跡のためだけでなく、皮膚の
引き締めに応用できるようにもなったのです。
レーザースキンリサーフェシングには
エルビウム(Er:YAG)レーザーや
炭酸ガス(CO?)レーザーが使われます。
両レーザーとも
蒸散機能があり、照射部位の水分に吸収されることにより
組織を気化させることでリサーフェシング効果を発揮します。
両者の大きな違いは熱凝固を起こすかないかにあって、CO?レーザーは凝固層ができ、熱損傷を起こすことで火傷様な仕上がりとなるため治りが遅いのに対して、
Erは
熱損傷がないため
回復が早いと思われます。
下記にてエルビウムレーザーによるリサーフェシングの具体的な内容を述べ、それをさらにマイルドな方法で同じレーザー機器で行える、
フラクショナルレーザーや
マイクロレーザーピリングについてもの詳述します:
エルビウムレーザー
1.
レーザースキンリサーフェシング エルビウム(Er)レーザーによるスキンリサーフェシング(アブレーション)がおすすめです。
凝固作用が少なくできることで、やけどの恐れはなく、回復が早いです。

リサーフェシング7週の変化(ヴァセリン塗布のためテカってみえます)
1-2週間ほどで?皮部分は乾き、その後の数週間は赤みや色素沈着が残りますが、化粧でカバー可能です。

表皮全層から真皮上層一部まで剥離することにより、毛穴からの表皮再生を促し、真新しい表皮に生まれ変わる過程において、真皮のコラーゲン増生が促され、肌の引き締めをはじめ、傷跡・にきび跡などの改善効果も期待できます。。

ニキビ跡レーザー前・後
実際の治療としては、まず麻酔クリームやテープなどを使って皮膚表面を麻痺させます。
これだけでは足りないので局所麻酔も皮内注入します。
静脈麻酔で寝ながら受けることも可能です。
麻酔が効いたところでレーザー照射となります。
顔全体で行う場合は大掛かりな治療となりますが、もちろん部分的にホホ一部とかもよく行われます。
他の身体部位もほぼ治療対象となります。


傷跡リサーフェシング前後
スキンリサーフェシングは積極的な治療であるため、ダウンタイムのある方法となりますが、効果的な治療法でもあり、衰えた皮膚が本物の若い皮膚に若返ることにその良さはあると思われます。
どうしても長いダウンタイムが気になる場合、リサーフェシング法をマイルドに行われる下記のフラクショナルレーザーやレーザーピールなどは数日ほどの赤みで済むやり方もあるので、お試し下さい。
2.
フラクショナルレーザー フラクショナルレーザー法はリサーフェシングをかなりマイルドにしたレーザー引き締め法となっていて、皮膚全層にミクロレベルの細かい穴を開けることで皮膚のコラーゲン再生を刺激する方法となっています。
ミクロレベルの穴のため、肉眼では3〜7日間ほどの赤みで済むため、よく行われる治療法です。
リサーフェシング法より、皮膚の侵襲が少ない分、効果を得るには回数を重ねないと得られません。



真皮深部まで到達できるフラクショナル
フラクショナルハンドピース 図解
皮膚内にやや深めのミクロの穴を形成することでレーザーピーリングより引き締め効果が出せやすく、チリメンジワなどにも効果的です。


フラクショナル前 フラクショナル後
赤みはほとんどレーザーピーリングと同様3日で引き化粧でカバーできます。
麻酔クリームやテープのもとで行うことができるため、比較的楽です。
3.
マイクロレーザーピーリング レーザーピーリングは
侵襲(ダメージ)が少なく表皮の最も浅い
角質層を軽く剥離することにより、表皮の再生を促します。
ケミカルピーリングのようなものですが、それよりは深く
均一に行えます。


真皮内でのピーリング
マイクロピールハンドピース 図解
レーザーピーリングは傷跡の改善までは効果を出せないのですが、皮膚の
引き締めやトーンの改善に有効です。




マイクロピール前 直後 3日後 1か月後
赤みは出ますが、早くて
3日で改善し、化粧でカバーできます。
下瞼の引き締めにも有効で、下瞼の脂肪除去やタルミとりなどと併用すると、さらに効果的です。


レーザーピール前・後
マイクロレーザーピーリングもフラクショナル同様、麻酔はクリームやテープで済む処置法となっています。
以上がレーザーによるスキンリサーフェシング法についてでした。
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