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N-COG糸リフトの効果
How Effective is N-COG Thread Facelift
プチフェイスリフトの定番となっている
糸リフトは100年以上前から考案された処置法のようですが、本格的に使用されるようになったのは2000年に入ったころからで、提案されてから100年後になります。
2000年代に
アプトスというブランド名で呼ばれる初の糸リフトが使用され始め、非吸収糸となっていて、溶けずに永久的に残る糸によるリフトがよく行われていました。糸の両側にとげ状のような突起が付いて、たるんだ皮膚を引き上げるためとなっている構造が画期的で、現在の糸にも使用されている技術です。ただ、溶けない永久糸を使ったことにより、慢性的な炎症、糸の輪郭による皮膚表面の凹凸や感染症などの副作用がよく出現することがわかり、このブランドは徐々に使用されなくなりました。
2000年代後半に
金の糸が流行りだし、かなりの高額治療として世間を騒がせることとなりましたが、やはり効果がほとんどなく、それどころか皮下に金が入っていることで、磁石を利用するMRI検査ができないとか、電磁波を使った機器の利用ができなくなるなどの不都合が加わることとなり、この手法も消えていく運命になるはずですが、未だに行われているというところもあります。
2010年代以降から
吸収糸が本格的に使われるようになります。そこからの10年間で溶ける糸によるプチリフトが進化していき、通常ある程度の切開や多数の針孔から挿入される糸リフトでしたが、最近では、単一の小さい針孔を目立たない頭髪内やヘアラインなどで隠しながら、処置当日からでも社会復帰が可能となるようになっています。その代表格ブランドなのが
NーCOG糸です。
さて、その最新の糸リフト、N-COG糸はどこまでその威力を発揮できるのか、それが本レポートの本題ですが、答えからいうと、手術法からはほど遠いですが、その
注入剤のような簡便さから考えると、それなりに役立つ手法です。約半年内で糸は吸収され、ある程度のコラーゲンやエラスチンなどの繊維増生で肌の引き締めは維持されますが、長くても1-2年ほどとなるでしょう。
かなりの余分皮膚のタルミの場合は手術法が最適です。糸リフトは
肌の少ないタルミを引き上げるためのものです。また、ほうれい線といったはっきりとしたシワには効かないため、ヒアルロン酸などの注入剤の併用が必要となります。
N-COG糸の最新バージョンは
N-COGスパイラル糸です。
今までの糸リフトとの違いはしっかりしたコグ(
とげ)がスパイラル(
らせん状)に配列され、より強いリフト効果が数分ほどで得られ、腫れや針跡もヒアルロン酸注入などと一緒で、数時間ないし数日間で引きます。
安心な吸収糸でできているため半年内で糸が吸収されますが、コラーゲン再生が刺激されることにより皮膚のリフト効果が数年ほど保たれます。
具体的な方法としては、既製品の
カニューラ針(鈍針)と糸のセットで直接タルミ部に数本を挿入し、目立たないもみあげなどでの針穴でつります。もちろんヒアルロン酸注入と同様、局部麻酔下です。
実際の処置:
図のように基本的にホホの場合、上に2本下に3本が効果が出しやすいです。両側で合計10本になります。
様子をみたい場合、1−2本でもまず試しにすることも可能です。効果はそれほどのものはないかもしれません。
首のタルミのも行うことがあります。最低2本ずつできれば3本以上が効果的です。
その他、目尻やまゆの引き上げにも効果的です。
基本的に様子見せや抜糸はなく、一回で治療が終わり、数か月後足りないところや新たなところへ追加挿入する感じになります。
以上が最新吸収性糸リフトN-COG糸の話題でした。
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