ひと昔は顔のそれぞれのパーツに対する整形の希望が主でしたが、最近、
顔全体のバランス、または
輪郭に関する相談がよく見受けられます。
具体的に目を大きくまたは若々しくしたいとか、鼻をスラリと整えたいとか、というよりは、顔のバランスをよくしたい、輪郭を整えたいなどのやや抽象的な訴えが多く、うまく表現できない場合は何をよくすればよいかわからなく、結局ドクターまかせにする場合もあります。
いろいろ
理由は考えられますが、
一つ上げらるのが、近年の
IT技術の発達に関係があるのではないでしょうか。スマホをはじめ、パソコンや会社のテレビ電話会議などでカメラを通して自分の姿、とくに顔、をよく目にするようになったからではないかと言われています。
画面の片隅では小さな自分の顔ですが、会話の相手にどう写っているか気が気ではないでしょう。
いつも鏡に映る自分の顔と違って、液晶画面に映るその輪郭に違和感を感じ、よくしたいという願望に駆られるのでしょう。
もう一つ考えられる理由としては、最近その処置方法が増えて、とくに気軽にできる
プチ整形法がいろいろ出てきて、選択肢が増えたせいもあるかもしれません。
どういった気軽な
選択肢があるのか、下記に羅列してみます:
1.
ボトックス注入 輪郭の修正には
アゴに対する
処置の果たす役割は大きいです。
なぜなら、アゴの一つの美容ケアだけでも
正面と
側面、そして
斜面からでも変化がはっきりとわかるからでしょう。
アラガン社ボトックス
ボトックス注入という簡単な処置でも、表情筋によるアゴの
正面の凹凸が解消されると
側面からもその
突出度が増すことが分かり、より美しい横顔に見られることがよくあります。これに後述のヒアルロン酸注入が加わると、さらに効果がはっきりします。

アゴ凹凸ボトックス注前後
そしてアゴのボトックス注入と一緒に、年配の方で
広頚筋(首のタルミを引き起こす筋肉)が気になるときにボトックス注入を行うと、
アゴのシャープさがさらに強調され、
若々しく美しいラインが得られます。

広頚筋ボトックス注前後
もう一つボトックスが輪郭に力を発揮するのは正面からの
エラの張り出しです。この処置はシワとほぼ同頻度でよく行われるボトックス注入のルーチンとなっています。主に
正面からの
効果がわかるようになっていて、下顎骨に付着している
咬筋を弛緩させることで、エラ張りを減らし、
小顔効果が期待できます。

咬筋ボトックス注前後
2.
BNLS脂肪溶解法 最新のメソセラピーとしてよく行われるBNLSの脂肪溶解注射は主に
正面からの輪郭の修正に活躍します。
BNLSとは最新の脂肪溶解注射法となっていて、
8種類ほどの
脂肪溶解剤と
リンパ液循環促進剤が含まれます。従来のメソセラピーと違って
、1-3回ほどの治療で効果が見られることがよくあります。
方法は簡単で、BNLS液を下図のような顔のパーツに直接注入し、
カニューラ(鈍針)を使用するためほとんど内出血はなく、
数日後から徐々に
効果が現れます。
当方法は、
輪郭に関して、主にホホにおける脂肪減少効果に力を発揮します。
とくに
下ホホでは、前述のボトックス注入が外側のエラ咬筋にのみ作用するのに対して、下ホホ
内側にはBNLSの脂肪溶解作用が期待できます。

下ホホBNLS注前後
3.
ヒアルロン酸注入法 ヒアルロン酸などの
フィラー(充てん注入剤)は
やはりアゴでの効果が主に輪郭形成に重宝されます。前述の通り、やはりアゴは輪郭の正面・側面・斜面の変化にかなり貢献する部位です。

アゴヒアルロン酸注前後
また前述の繰り返しになりますが、ボトックス注入との併用も必要な場合があります。
アゴ以外だと、ヒアルロン酸は
額・こめかみ・ホホのくぼみなどにもよく使います。これらの部位では凹凸への効果だけでなく、皮膚自体の保湿効果も期待でき、質感の改善につながります。

こめかみ注入前後
別のフィラーである
レディエッセ(骨構成成分ハイドロキシアパタイト)の注入はX線に写ることや組織ダメージなどの不具合を起こすことがあり、最近敬遠されがちです。
4.
Y-ko糸プチ隆鼻法 鼻の高さ形成も輪郭形成に寄与します。
主に側面での効果になりますが、鼻形成は横顔の美しいライン(
Eライン)の形成に欠かせない手段となっています。
そこで活躍するプチ整形法が
Y-ko糸隆鼻法です。

Y-ko鼻筋用 鼻先用
ダウンタイム(回復期間)がほとんどなくヒアルロン酸などの注入剤のような手軽さででき、ヒアルロン酸よりは長持ちです。
安心な
吸収糸でできているため半年内で糸が吸収されますが、コラーゲン再生が刺激されることにより効果がある程度持続すると言われています。

ハンプ(鼻骨隆起)などで相対的に下がってダンゴ鼻っぽくみえる鼻先に使用すると、鼻先が上がりきれいなスラリ鼻に見せることもできます。

具体的な方法としては、既製品の
カニューラ針(鈍針)と糸のセットで直接鼻先に数本を鼻橋(鼻先と人中をつなぐ部分)に直接挿入し、鼻先の針穴でつります。もちろんヒアルロン酸注入と同様、局部麻酔下で,数分ほどで完了です。
5.
N-COG糸リフト この方法も輪郭形成に欠かせないものとなっています。主に若返り法として使われる手法ですので、
より若々しい正面・側面の輪郭にするときに有効な手段となるわけです。
ダウンタイムがほとんどなく効果的な方法であるこの
N-COGスパイラル糸によるタルミの引き上げは最新の糸リフト法です。
今までの糸リフトとの違いはしっかりしたコグ(
とげ)がスパイラル(
らせん状)に配列され、より強いリフト効果が数分ほどで得られ、腫れや針跡もヒアルロン酸注入などと一緒で、数時間ないし数日間で引きます。

安心な吸収糸でできているため半年内で糸が吸収されますが、コラーゲン再生が刺激されることにより皮膚のリフト効果が数年ほど保たれます。

具体的な方法としては、既製品のカニューラ針(鈍針)と糸のセットで直接タルミ部に数本を挿入し、目立たないもみあげなどでの針穴でつります。もちろんヒアルロン酸注入と同様、局部麻酔下です。
以上が輪郭整形のプチ処置法となりますが、もちろん簡単である反面限界のある方法となっていて、どうしてもより効果的、より長期間持続の方法を希望の場合、その他の手術法が良いでしょう。。
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