はじめは、
シリコンやパラフィンなどのシワ用の永久注入剤が6−70年代ころに使われ、
問題があると分かり
コラーゲン剤に替わり、
吸収が速いため
ヒアルロン酸が現れ、
さらに半永久ということで骨成分
レディエッセやハイドロジェルなどが出てきましたが、やはり、
難ありということでまた
ヒアルロン酸に落ち着いている、
といった感じで注入剤の歴史は長く、そしてなかなか処置項目からなくなりません。
というのは、注入剤は美容医療において欠かせないものであり、当分、代われるものがないからです。
’ほら、ホホの皮膚を引っ張ると、ほうれい線もこのように伸びるでしょうが’、
と患者さんによく指摘されます。
要は、リフトなどで引っ張れば、シワも取れるでしょう、というご提案ですが、
皮膚の引き上げに一番効果的なフェイスリフト手術でも、ホホタルミはスッキリしますが、
ほうれい線はなかなか消えないのです。
その理由は、患者さんが皮膚を引っ張るとき、引き留める指の役割をしてくれるものがなく、
耳前の皮膚に引き寄せたとしても、引き寄せる皮膚も重力に勝てず、引き下げられてしまうからです。
これ以上のしつこい説明はさておき、
ヒアルロン酸の使用部位を高頻度順で述べてみたいと思います:
1.
ほうれい線 ほうれい線は断トツ、
最も希望の多い部分です。
ほうれい線注入前後
美容医療用語では鼻唇溝とよばれ、ヒアルロン酸がよく活躍する部分です。
顔の
ど真ん中にあるため、対面時、真っ先に見られる部分の一つです。
レスチレンというブランドがヒアルロン酸の元祖です。
ヒアルロン酸を生産し始めてから約
30年近く経ちましたが、
今だによく使われているブランドです。
ほうれい線では
真皮内(皮膚の深い層)に注入されることで自然な効果を発揮します。
線を完全に消すには難しいですが、
浅くし目立たなくすることでより自然に若返った印象が得られるでしょう。
2.
マリオネットライン 口角から延びるシワである
マリオネットラインがほうれい線の次にヒアルロン酸注入がよく行われる部位です。
からくり人形(マリオネット)の口元のラインから由来する呼び名です。
ヒアルロン酸でシワを補うことでシワの溝が埋まり、
となりにみられるホホ下タルミをカモフラージュでき、より若々しくよみがえてきます。
口角を上げる効果も期待できます。
3.
下まぶたのクマ(下瞼溝) 年を感じると思われている部分で
断トツ1位なのがこの部位ですね。
解剖学的に’下瞼溝(かけんこう)とよばれる下まぶたにみられる半円を描きそうな凹みが年齢とともに深くなっていきます。
深くなっていく
’年輪’のようなもので、皮膚のたるみなどで強調されます。
光の当たり加減で目立つことがよくあり、
よくある状況としては暗い部屋の中で頭上からあたるライトなどや、
屋外でガラス窓に浮き出る下まぶたがうつるときなどにも強調されます。
簡単な処置法としては
ヒアルロン酸の注入が一般的です。
下瞼脂肪除去術(脱脂術)や下瞼タルミとり術がもっと効果的ですが、それらに踏み切る前によく行われる処置法なのがヒアルロン酸注入となります。