豊胸術の適正な出来上がりは次の4つの要素でほとんど決まります:
1.処置法
2.患者の希望の大きさ
3.胸郭の幅
4.身長
といったところだはないでしょうか。
1.
処置法 よく知られているのが
バッグ法ですよね。
もう二つの方法としては、
脂肪注入法とヒアルロン酸注入法になります。
これ以外の方法もありますよ、と反論の方もいるでしょうが、その他の方法はまやかし以外のなにものでもない、です。後者の2方法(注入法)もいかさまではないか、という方もいるでしょう。とくにこの
’適正な大きさ’という話題には、確かに
脂肪注入やヒアルロン酸注入法は
ついていけないもの同士になりますが、それでもバッグ法の代わりとなるものとしては、現段階この2方法しかないと思って下さい。
どうして注入の2方法が大きさに関してついていけないのか、それぞれの理由は次のとおりのなります。
脂肪注入法には
生着率の問題があります。幹細胞を利用すれば
80%まで脂肪細胞が生き残るとうたっているところがありますが、まさに
誇大宣伝の典型例です。
30〜40%残ればいい方で、ほとんどが
20%以下のような気がします。
じゃ、たくさん注入すればよいのでは、と考えてしまいますが、
石灰化といったしこりや
化膿の原因となり、思わしくない方向にむかうことがよくあります。
脂肪注入各150t前/後3か月
ヒアルロン酸注入は1年以内に
100%吸収される上、入れすぎると
シコリが感じられることや
組織ダメージを起こしかねない性質をもつため、希望の大きさがなかなか得られないのが事実です。脂肪注入同様、
1カップ弱アップが無難なところでしょう。
ヒアルロン酸注入各70t前/後1か月
これらの理由からすると、
’適正な大きさ’という話になると、注入2方法にはほとんど期待できず、残る
バッグ法に頼るしかない、ということがわかります。
バッグ法各200cc前/後1か月
ですので、以下の話の展開は
バッグ法をもとにした話題だと思っていただきたいです。
ちなみにバッグには
シリコンバッグと生理的食塩水バッグ(生食)がありましたが、最近、生食は通常生産されず、ほとんどシリコンバッグがメインとなっています。
コヒーシブタイプとよばれるシリコンバッグが作られていて、バッグが破れても外に漏れ出ず、
グミのようなジェルとなっていて、バッグの中にとどまります。
半分に破ったシリコンバッグ
2.
希望の大きさ 患者さん
本人の希望が第一となりますが、たまにあり得ないような大きさを提示する方がいます。友達が各1,000tずつ入っていて、それより大きくしたい、という方がいて、実際に生産されているのは最高が800tで、
日本人は
平均250t、
欧米人は
350tが適量で、いかに無理難題を押し付けているのかがわかります。
バッグ法200t術前/術後
具体的なバッグの大きさがどれくらいのカップサイズになるのかというと、日本のブラサイズだと100tで、アメリカのブラサイズだと200ccがだいたい1カップアップになりますが、プラスアルファで入れることが多く、なぜなら、入れた後にもう少し大きくすればよかった、ということがよくあり、アメリカでいわゆる
’バストグリード’と呼ばれ、直訳で
’胸サイズの欲張り’と言っていいのでしょうか、そういうことを見そえた上でサイズを決めるからです。
100tを入れる方はほとんどいなく、
普通体型だと
小さくても180t、
大きくても400tはだれでも入るでしょう。
ですので、
希望の大きさを伝えるとき、まず
自然に張りをだす程度、なのか、
バッグ法各180t術前/術後
自然である程度大きく、なのか、
バッグ法各300cc術前/術後
それとも
かなり大きくしたい、なのか、
バッグ法各400t術前/術後
をまず言い、それから上記の大きさを参考にしながら、ドクターと決められるとよいでしょう。
要は、
本人希望以外に体型(
胸郭の幅や
身長)的に合っているかどうか考慮する必要があります。
3.
胸郭幅(胸の前面幅) ということで、本人の希望に加えて体格的に希望のバッグサイズが入るのか、
胸郭幅(
胸板の横幅)を測る必要があります。
180tから400tまでのバッグの直径はだいたい
10〜13cmなので、それが片側の胸に収まればちょうど
自然である程度の張りが出る大きさが得られます。
胸板片側の横幅12p、バッグ直径10.5p
自然である程度大きくという希望となれば、
胸幅より直径約5mm大きいバッグを選択し、出来上がりは少し胸郭からはみ出し、バッグはきれいにバストに収まります。
胸板片側の横幅12p、バッグ直径12.5p
かなり大きくしたいとなると、
胸幅より直径1p以上大きいバッグにし、かなり胸郭の外縁からはみ出す感じの仕上がりとなります。
胸板片側の横幅12p、バッグ直径13.5p