光治療器が美容医療において注目されてから
20年を過ぎましたが、それ以前は、光ではなく、もっぱら一波長のレーザー治療に任せる流れがありました。
強力で部分的に治療を行うレーザー機器に対して、光機器は皮膚浅層にマイルドで広範囲に力を発揮する機器です。
一般的なシミである老人性色素斑(別名日光性色素斑)の治療を例にとって見ると、長年にある濃い茶色のものはレーザーの対象で、浅く淡い色のものは光治療の対象となります。
ちなみにレーザーは1週間ほどのダウにタイム(治ゆ過程)があるのに対して、光治療はほとんどないです。
光治療器この20年間でいろんなブランドがでてきてました。
フォトフェイシャル、フォトRF(オーロラ)など、フォト何とかという名前の機械が光治療器です。
これらの製品を
さらに強力で多機能型に変化させたのが
BBLです。
BBLとは
BroadBand Lightの略で、
広帯域光線を採用することで
多機能性を可能にしたのだす。
BBL波長フィルター
光フィルターを使用することにより、あらゆる波長によるあらゆる症状の治療ができます;
・波長420フィルター ニキビ治療に
・波長515 シミ、そばかすなどの色素異常
・波長560 血管腫などの異常血管
・波長590,640,695 脱毛
・赤外線フィルター 肌の引き締め
それぞれの機能の詳細はつぎのようになります:
1.フィルター420のニキビ治療 光によるニキビへの応用は有名です。
とくにフィルター420は効果が出しやすく、ニキビ菌の殺菌作用に加えて、皮脂の分泌抑制作用もあるといわれ、ニキビの治療と予防に欠かせない光治療となっています。
BBL前・後
フィルター420が通す光がニキビ菌の生成するポルフィリンに反応することにより活性酸素が発生するしニキビ菌を殺菌します。
後ほど述べるフィルター560による照射も加えることで、ニキビによる炎症反応も抑えられ、さらに効果的に治療ができます。
ニキビの光治療には通常ケミカルピーリングも併用し、皮膚の角質をピーリング(皮をむく)することで毛穴が清浄され、ニキビ反応ができにくくなります。
お肌のトーンがダークの場合、BBLによる治療でやけどを起こす恐れがあるので、ケミカルピーリングとお薬の内服・外用がメインの治療法となります。
2.
フィルター515による色素異常治療 フィルター515による
老人性色素斑(日光性色素斑)や
そばかすなどの色素異常の治療が光治療の中で最も利用されています。
浅い表皮に到達する515光
光は老人性色素斑などのシミを起こすのが一般的ですが、BBLで照射される光は有害な紫外線などを取り除いた光となっているため、シミを作らず、シミを治療する光を発するようになっています。
そばかす光治療前 そばかそ光治療後
浅くマイルドに効果を示し、
広く照射することが可能であるため顔全体へ照射することで
美白にも抜群の効果を発揮するわけです。
老人性色素斑BBL前 BBL後
しかし長年あるシミや肝斑などはBBL光治療だけでは取り切れないため、レーザーや美白剤などによる治療が妥当でしょう。
また、肌のトーンがかなりダークの場合、BBLやレーザーでやけどを起こすことがあるため、美白剤による治療がおすすめとなります。
3.
フィルター560による赤ら顔治療 このフィルターは選択的に血液の赤色に反応し血管を破壊することで
異常血管治療に使用します。
ただ、光治療は浅いマイルドな効果しかでないため血管腫や静脈瘤などの深い血管異常には効かず、比較的表側の毛細血管異常である
赤ら顔がメインのターゲットとなります。
BBL前・後
ダウンタイムはなく、赤みがかなり減るためよく行う治療法ですが、破壊された毛細血管はほとんど機能していない血管であるため心配はいりませんが、新たな毛細血管が所々また再生されるため数か月ほどで赤みが出てくるときは再照射を行った方が良いでしょう。
また下写真のような太い血管を伴う場合は、
レーザー治療と併用すると効果が出しやすいです
血管レーザー前・後
4.
フィルター590/640/695による脱毛 光照射による脱毛治療はもう今では定番で、エステでもよく行われる処置です。
ただし、光の到達層が浅いため効果をだすには
時間と治療回数がかるので、比較的
浅い産毛などに限定して行った方が良いでしょう。
女性産毛に光脱毛
しっかりした毛根には
レーザー照射による脱毛治療が素早い効果が得られ、比較的赤みや色素沈着といった副作用が出にくいです。
太い毛根のレーザー脱毛
また、
肌のトーンが暗い場合、BBLなどの
光脱毛は
やけどを起こすことがよくあるので、選択的に毛根に反応がよい
レーザー脱毛がおすすめです。
ダーク肌のレーザー脱毛
5.赤外線フィルターによる引き締め治療 このフィルターはSkinTyteというブランド名の通り、肌の引き締め用に作られています。
皮膚下層55℃に対し表面12℃
皮膚深部を選択的に温めることにより、コラーゲンなどの増生を促し、張りのある肌を作っていくことがこの治療の目的です。
SkinTyte前・後
ダウンタイムはなく、仕事や用事の合間でもできます。
確実な効果を得るには月に一回、3=5回を行うと良いでしょう。
即効性のある引き締めを求める場合、より積極的なレーザーアブレーションやフラクショナルレーザーをおすすめします。
以上がBBL光治療の詳細となります。
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